外資の給料
「外資は給料がいい」というのは一般的によく聞くことですね。統計に基づいたお話ができるわけではありませんが、今までにいろいろ聞きかじった話やpublicになっている情報などからこんなことも知っておいても損はない、ということを少しだけ。
- ここで対象とするのは日本にある外資でその本社のある国、もしくは英語での業務を必要とされるような職に限りましょう。外資でも日本のローカルのオペレーションで日本語だけでOKという職種・職責は外します。なぜならばそういう職種ではほとんど日本企業に比べて変わらないか、むしろ悪いかのどちらかのことが多いようなので。
- さて、要因としてはどんなことを考えればいいのでしょう?ざっと見て、こんなことが影響しているようです:
- 業界の種類
- ローカルでの業績
- 本社・本国での業績
- 人事部門の考え方
- 役職/報酬カーブの傾向
- まず業界ですが、一般的には金融業などは高く、製造業などは低いという日本でも見られる傾向があります。そしてその格差は日本よりも大きいでしょう。もちろん例外も多いのですが。
- 日本の現地法人が担当している市場での業績は当然ながら大きく影響してきます。法人設立直後は右も左も分からないので高めの設定をすることが多いですが、その後業績が上がらなければ当然渋くなってきます。何より人減らしのリスクが大きくなってきます。
- また本国での業績が大きく効いてきます。いくらローカルでそこそこでも本国が火の車の会社ではローカルの期待するallocationがあるはずもありません。http://finance.yahoo.com/などで株価推移や時系列のincome statementを調べてみれば大体見えてきます。
- 人事部門の考え方、これは隠れた要因です。担当人事トップが外国人なのか日本人なのかということもあるでしょう。母国語と他言語を使用して業務できるという部分にどのくらいのプレミアムをおくかということもあるでしょう。かなりのプレミアムをおく会社もありますし、日本の同業種とほぼ同じレベルを設定するいわばno premiumの所もありますので要注意です - 労多くして功少なし、ってなことになりかねません。
- 役職/報酬カーブとは役職があがるにつれて給料の上がる程度の傾向と考えてください。日本も外資もいずれも最初はほぼリニアーで、後半にかけてグ〜ッとあがる曲線を描くケースがほとんどです。しかしその程度には大きな差があります。外資では前半はかなり勾配の少ないリニアーな上昇が続き、最後の最後のあたりで信じられないほどのググ〜っという増加を見せます。http://finance.yahoo.com/で会社のCEOの年収が載ってますので見てみてください。桁が違うことが分かるでしょう。
- これはどういうことかというと、かなり上の役職にならない限り思っているほどはあがらないという傾向があるということです。敢えて言い換えれば、転職時の最初のスタート額が大きな鍵になると言えますね。現地雇用ではよほどのことがない限り、外資で最後の方のレベルにあがることはあり得ませんし。
- また福利厚生・退職金などは日本企業に比べて著しく劣ることがほとんどです。たとえば、日本の地方公務員の方が(たとえそれが掃除のおばさんでも)外資の何倍もの退職金をもらいますからね(省庁で大きな違いはあるのですが)。そんなことも考慮に入れて生涯報酬といういう見方も大事になってきます。
- 昔はこの手の情報は本などもほとんど無く手探りでしたが、最近はいろいろ出版されていますのでぱらぱらめくってみてもいいでしょう - 一例は図解 外資系の給料!など。